2006.10.13 Friday
心の月ノ傷跡
それを憶えている。触れようとしたこと。
身体に刻もうとして、触れようとして、手をのばした。
触れたこと。そしてすぐ消えていったこと。手のひらで渦巻く旋風?
ぼくは奄美を走った/ハンドルとアクセルを操作した
風景は写真と二重写しに回転した/ダッシュボードに差し出した「カピパラ」
反射する風景/反射する心
ぼくはそこでさまざまな言葉の交響を聴いた/聴いた聴いた聴いた
それを憶えていない。耳の奥で響きとなった海鳴り。
道おしえが教えたその道の経路は島のどこを巡っていたのか?
巡ったこと。恵んでもらったこと。何を憶え、何を忘れた?
ぼくは忘れた/名刺を、お礼を、恐れを、測量を
ぼくは忘れた/一切を、nothingを、忘れたことを忘れることを
ぼくは忘れた/名前を、顔を、手を、そして足の裏を
ぼくは忘れた/のかもしれない、そんなに大切なものを忘れておいてなお、
墓場の傍に川が流れ、枕もとに立つ詩人の影、顔は見えない、白い閃光を放ち口が開く
未来の本の夢、刹那の鳥影が斜めに走り、波と坂が三線の律動と声の波動にとり憑く、
満月に天秤担いだ農夫さん。この眼に天秤担いだ農夫さんが見えるのか!
月光が夜空を白くした島を/車に乗せて走る、島の教え、その優しい優しい響きを聴いた
島の教えは謎だった。答えは当分見つかりそうにない。
ただ泳ぎを覚えるために、おぼれようとしたのか。
忘れてもいい。
泳ぎを忘れて、海に入ってゆけばいい。
島でずっと歩きを困難にさせていた、あの足裏の痛みはいったい何だったのか?
忘却とひらめき 一瞬の天啓 忘れの奥底に眠る惑星ノ傷跡
すべての謎を天秤に担いで農夫さんは見つめて/見つめられて白く月に光る
浮かぶ中空 走る車 本の夢 飢え 渇き 不安 恐れ 翳り 絶海の果て
に島を夢見る 教え 学び 樹 見たことのない樹 謎 本の謎に囚われる
さまざま方角にむかって、西へ、東へ、北へ、南へ、
天空へ、底へ、未知へ、ウラへ、歌へ、写真へ、映像へ、奄美へ
奄美のことを書いたわけでも無い/奄美のことを「書く」なんて・・・
ただ言葉が浮かぶとおりに打刻した。自分の名前も忘れた。
一切は誰かの独り言のマボロシ−−
身体に刻もうとして、触れようとして、手をのばした。
触れたこと。そしてすぐ消えていったこと。手のひらで渦巻く旋風?
ぼくは奄美を走った/ハンドルとアクセルを操作した
風景は写真と二重写しに回転した/ダッシュボードに差し出した「カピパラ」
反射する風景/反射する心
ぼくはそこでさまざまな言葉の交響を聴いた/聴いた聴いた聴いた
それを憶えていない。耳の奥で響きとなった海鳴り。
道おしえが教えたその道の経路は島のどこを巡っていたのか?
巡ったこと。恵んでもらったこと。何を憶え、何を忘れた?
ぼくは忘れた/名刺を、お礼を、恐れを、測量を
ぼくは忘れた/一切を、nothingを、忘れたことを忘れることを
ぼくは忘れた/名前を、顔を、手を、そして足の裏を
ぼくは忘れた/のかもしれない、そんなに大切なものを忘れておいてなお、
墓場の傍に川が流れ、枕もとに立つ詩人の影、顔は見えない、白い閃光を放ち口が開く
未来の本の夢、刹那の鳥影が斜めに走り、波と坂が三線の律動と声の波動にとり憑く、
満月に天秤担いだ農夫さん。この眼に天秤担いだ農夫さんが見えるのか!
月光が夜空を白くした島を/車に乗せて走る、島の教え、その優しい優しい響きを聴いた
島の教えは謎だった。答えは当分見つかりそうにない。
ただ泳ぎを覚えるために、おぼれようとしたのか。
忘れてもいい。
泳ぎを忘れて、海に入ってゆけばいい。
島でずっと歩きを困難にさせていた、あの足裏の痛みはいったい何だったのか?
忘却とひらめき 一瞬の天啓 忘れの奥底に眠る惑星ノ傷跡
すべての謎を天秤に担いで農夫さんは見つめて/見つめられて白く月に光る
浮かぶ中空 走る車 本の夢 飢え 渇き 不安 恐れ 翳り 絶海の果て
に島を夢見る 教え 学び 樹 見たことのない樹 謎 本の謎に囚われる
さまざま方角にむかって、西へ、東へ、北へ、南へ、
天空へ、底へ、未知へ、ウラへ、歌へ、写真へ、映像へ、奄美へ
奄美のことを書いたわけでも無い/奄美のことを「書く」なんて・・・
ただ言葉が浮かぶとおりに打刻した。自分の名前も忘れた。
一切は誰かの独り言のマボロシ−−
八月ではありませんでしたが、ちょうどまん丸お月様でした。
石塚千恵子さんとポルトガルの満月の話をして、
吉増先生とネフスキー『月と不死』の話をしました。
この本の話から月に映っているの影を、ウサギの餅つきではなくて、
天秤担いだ農夫さんに見えるかどうかが試されました。
わたくしの眼にかかれば、がんばれば見えなくも無いかもしれない、ぞ。といった程でした。
私の「天秤担いだ農夫さん」のイメージは、案山子のような格好となっております。
藤井さんの眼にはどのように映りますでしょうか。
ウサギの餅つきからは脱却したいですね。。