講師 竹中英俊(元東京大学出版会編集局長、現北海道大学出版会相談役)
日時 2018年6月29日(金)18:00〜
場所 書肆吉成丸ヨ池内GATE店内ギャラリー
席料 500円
予約 要申し込み 電話011-200-0098 メール yosinariikeuchi@gmail.com
協賛 北海道大学出版会
【趣旨】
福沢諭吉についてはほとんどの人がその名前を知っているでしょうが、その福沢が《読む人、書く人、作る人、売る人》である総合出版人であることについてはどれほど知られているでしょうか。
150年前の1868年(慶応4=明治1)年、福沢は、それまでの英学塾を江戸の芝新銭座に移し「慶応義塾」と命名しました。同時に、独立自営出版を始め、これは「福沢屋諭吉」という屋号を持ち、1872年「慶応義塾出版局」に発展します。ここから有名な『学問のすゝめ』や『文明論之概略』が刊行され、さらに新聞を発行する「時事新報社」に改称し、『福翁自伝』や『福沢全集』全4巻も出しました。
今回の講座では、この総合出版人としての福沢について焦点をあて、1860年刊行の福沢の最初の著作『増訂華英通語』、1872年刊行の『学問のすゝめ』、1878年刊行の革装本『文明論之概略』などの原物「お宝本」をお見せしながら、本の未来を振り返ってみたいと思います。
【講演内容】(予定)
- わたしの歩み:出版人生活44年
- 日本の書籍出版:キリシタン版・古活字版から本居宣長・平田篤胤の出版まで
3. 福沢諭吉の歩み:《読む人、書く人、作る人、売る人》
⑴ 『増訂華英通語』
⑵ 独立自営自営出版「福沢屋諭吉」
⑶ 『学問のすゝめ』
⑷ 『文明論之概略』
⑸ 時事新報社
⑹ 丸山眞男
4. 本の未来を振り返る
5. 質疑応答
【竹中英俊氏プロフィール】
1952年生まれ。1974年から2015年3月まで東京大学出版会で出版に関わる。現在は、竹中編集企画室を主宰するとともに、東京大学出版会嘱託、北海道大学出版会相談役。(ほかに、吉野作造研究会代表、福沢諭吉協会会員、南原繁研究会会員、湘南科学史懇話会幹事、京都フォーラム評議員、咸生書院理事、アカデミックグルーヴ顧問など)
編集者としては「横断媒介」をキー概念として、人と人とを結ぶ出版の基点に立った編集企画を目指した。企画・編集に関わった点数は約450点。うち、海外で翻訳出版されたものは約70点。
【竹中英俊の「わたしの偏愛する表現者20人」】
山上憶良、大伴家持、世阿弥、芭蕉、蕪村、北村透谷、島崎藤村、吉野作造、佐左木俊郎、中江丑吉、折口信夫、海音寺潮五郎、鮎川信夫、田村隆一、吉本隆明、石原吉郎、高橋和巳、澁澤龍彦、白川静、斎藤眞

