札幌の古本屋の窓辺から 〜古書出張買取りの書肆吉成

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月刊「地下街」の目次 〜昭和48年にあった札幌の地下タウン誌と本屋さん〜


札幌冬季オリンピックの開催まであと50日と直前に迫った昭和46年12月15日に、
札幌の地下鉄は開通した。

いきなり話が脇道にそれるが、札幌の地下鉄車両はタイヤで走行しているのが、他の都市の地下鉄と大きく違う特徴だという。
そのことを、私はたしか『図解 地下鉄の科学 トンネル構造から車両のしくみまで (ブルーバックス)』という本で知った。
普段、乗車していてもまったく気がつかないことであるが、言われてよく見ると確かにタイヤだ。

さて、その地下鉄開業のほぼ一ヶ月前である昭和46年11月16日。
札幌市中心部の地下には南北と東へ伸びる地下街がオープンした。
大通駅とすすきの駅を南北に結ぶ「ポールタウン」、大通駅からテレビ塔へ東に伸びる「オーロラタウン」である。
札幌の最初の靴屋として明治に創業しいまも盛業中の「靴のイワイ」などが軒を連ねている。

雪の多い札幌では、地下の存在は欠かせない空間となっている。
東日本大震災の翌日である2011年3月12日には地下鉄札幌駅ー大通駅間が結ばれた(地下歩行空間いわゆる「チ・カ・ホ」)。
それいらい地下空間はエルプラザからススキノまでが接続され、札幌市民はその広大な地下空間を日々行き来している。いわば、リアル「地下生活者」である。
(ちなみに、弊店が事務局となっている「札幌古本セーヌ会」主催の古本市、「札幌ブキニスト」の呼称はパリのセーヌ河にインスパイアされたもので、地下歩行空間の暗渠の岸辺に市を開くイメージで名付けました。不定期開催しております。)

さて、その地下街開業からおよそ一年後に発行が開始されたのが「月刊 地下街」である。
地下のタウン誌だ。
この冊子は、たとえば「札幌駅地下 ステーションデパート眼鏡部」などの地下商店で無料で配布されたので、おそらく多くの市民が手にしたと思われる。
市民や観光客はそのタウン誌の紙面からこの地下空間の新しい空気を感じていただろう。
それから41年。そのタウン誌のいかほどが今も現存しているだろうか。



書肆吉成はこれまで二冊だけ「月刊 地下街」を入荷・販売した経験がある。
さらにこのほど、幸運にもまた5冊を入荷することができた。
「日本の古本屋」に登録したので、下記の目次を御参照の上、御注文を頂ければ幸いです。


札幌の地下は、地下街開業→地下鉄開通→冬季オリンピック→「月刊 地下街」発行という流れである。

当時の地下街マップはいまとなっては貴重だろう。


(札幌駅名店街案内)


(札幌・ステーションデパート案内)


(さっぽろ地下街・ポールタウン案内、オーロラタウン案内)


創刊号に編者はこのように書いていた。
「地下街の雑誌は、全国でもこれが始めてだろうと思いますが、それだけに試行錯誤を武器として、つねに魅力ある生きいきした内容を盛り込みたい」(6号より孫引き)

そのような意気込みを持ちさらに「誰でも寄稿できる、いわば”市民の広場”をめざして編集しているので、遠慮なく執筆下さい」とこの冊子は呼びかけている。
その12号には、札幌で活躍した詩人が多く寄稿している。
この冊子のなかでひときわ目を引くのは、詩人の諏訪優が毎号寄稿していることだ。なぜ?

それにしても、この「月刊 地下街」は、いったいいつまで発行されていたのだろう。
私はまだ12号までしかその存在を知らない。ちょうど一年分である。
いつかまた続きを仕入れることがあれば、うれしいのだけど。

以下が弊店が仕入れた「月刊 地下街」の目次一覧です。
御購入は、書肆吉成在庫(当HP中央・中段の検索枠)にて有無をご確認のうえ御注文下さい。

――――――――――――――――

月刊 地下街 6号

昭和48年6月1日発行
編集者 福井勝男
発行者 長谷川八洲
発行所 スピカ出版株式会社
66ページ
カット 小野州一

<もくじ>
諏訪優「ネコもまた夢をみる」
上村忠郎「燃ゆる頬 寺山修司と青年俳句」
梅田昌志郎「光と風と眼 若いエリート面」
山口喜造「一九四八・地」イラスト
太田嘉四夫「地下鉄の夢」
川村治子「わかものの街のシンボル」
地下鉄無銭乗車法<アンケート>(回答者の一人に和田由美(編集者)の名がある)
工藤誠俊「モグラの原風景」
地下鉄のあさひるよる<写真特集>
中西生史「切符は駅長の手に渡したい」
なんでもコーナー
西山正「ロックと若者」
地下街点描<カメラ探訪>
飯村恭造「山女恋い」
吟遊詩人ロブ・ウィットマー君を訪ねて
あの店・この店
佐々木文三「四年前の話」
高橋渉二「紙の柩<詩>」
座談会・気になる店員アドバイス
ひとこと
月刊・地下街の店
札幌駅名店街案内
札幌ステーション・デパート案内
札幌地下街ポールタウン案内
札幌地下街オーロラタウン案内


月刊 地下街 7号

昭和48年7月1日発行
編集者 福井勝男
発行者 長谷川八洲
発行所 スピカ出版株式会社
66ページ
カット 小野州一

<もくじ>
梅田昌志郎「光と風と眼 ふるさととは何か」
平村芳美「アイヌとインディアン」
岑亜紀良「お巡りさんに捧げる詩」
山口喜造「ビートルズ<イラスト特集>」
佐藤孝「花火の下で<詩>」
松川洋子「ジーンズと夏」
吉田徳夫「若者とさいはての島」
伊藤忠雄「消えた音」
フォークと若者たち ’73全国フォーク音楽祭北海道地区大会<カメラ特集>
なんでもコーナー
山下正「唐人お吉と牛乳」
あの店・この店
松岡つとむ「地下のたべもの屋今昔」
嶋田喜三郎「私のクラッカー」
初代ミスサッポロの小倉春代さん
末武高「仙人掌は愉しからずや」
高田玉吉「エノケンの手紙」
川崎茂次郎「若者の言葉・心」
諏訪優「日本列島は病んでいる」
梅森欣哉「アメリカのサービス」
ひとこと
月刊・地下街の店
札幌駅名店街案内
札幌ステーション・デパート案内
札幌地下街ポールタウン案内
札幌地下街オーロラタウン案内


月刊 地下街 8号

昭和48年8月1日発行
編集者 福井勝男
発行者 長谷川八洲
発行所 スピカ出版株式会社
66ページ
カット 小野州一

<もくじ>
諏訪優「鏡の中の自分」
梅田昌志郎「光と風と眼 手ぶらで歩こう」
岑亜紀良「ジェルソミーナ」
山口喜造「ビートルズ2<イラスト特集>」
山崎治「痛み<詩>」
谷龍治「ジスペーチェルのカーチャ」
吉田有志「幻の少女仮面」
寺島和行「お天気歳時記・八月」
馬坦平九郎の末裔たち モトクロスの青春<カメラ特集>
なんでもコーナー
あの店・この店
新妻博「夏へ サッポロの夏を楽しむ」
佐上卓郎「影のない顔」
西山正「宇宙の使者 デビット・ボウイ」
横山レキ「札幌の街を歩いている デビット・ボウイ」
飯野裕「赤字でも映画はつくる 札幌アンダーグラウンドファクトリーの創設」
ひとこと
月刊・地下街の店
札幌駅名店街案内
札幌ステーション・デパート案内
札幌地下街ポールタウン案内
札幌地下街オーロラタウン案内


月刊 地下街 10号

昭和48年10月1日発行
編集者 福井勝男
発行者 長谷川八洲
発行所 スピカ出版株式会社
66ページ
カット 小野州一
表紙・イラスト 馬場護

<もくじ>
諏訪優「詩人と現代」
池谷一利「お化けの世界」
伊藤徳治「わが読書周辺」
板垣弥之助「札幌のまちと市長と私」
由稀子「友達<詩>」
馬場護「天変地異<イラスト特集>」
山岡立三「本場のサウナで ベットの上で」
私の秋・私の読書
中森敏夫「札幌三代目雑言」
女性たちの暑い夏<カメラ特集>
なんでもコーナー
木村新一「我が家のハンコは六個になった」
横山和之「青春という名の眩しさ<インタビュー>」
寺島和行「お天気歳時記<十月>」
久地太郎「秋の酒」
岑亜紀良「僕はたったひとりのベトコンさえ殺せなかった」
あの店・この店
ひとこと
月刊・地下街の店
札幌駅名店街案内
札幌ステーション・デパート案内
札幌地下街ポールタウン案内
札幌地下街オーロラタウン案内
(↑ 10号より)

月刊 地下街 12号

昭和48年12月1日発行
編集者 福井勝男
発行者 長谷川八洲
発行所 スピカ出版株式会社
66ページ
カット 小野州一
表紙・イラスト 馬場護

<もくじ>
鈴木杜世春「教師の幸せな十二月」
矢口以文「平和な人々(アーミッシ)」
諏訪優「人間のための道」
渋谷美代子「わが十二月」
池谷一利「ムード・アレルギー」
宮川準一「古蓑 居酒屋S亭<詩>」
馬場護「天地再生<イラスト特集>」
伊藤淳「あるシャトウの若者たち」
私のクリスマス<写真特集>
なんでもコーナー
クリスマスの贈りもの
中森敏夫「札幌三代目雑言」
明石多加雄「ちいさな秋・みいつけた」
寺島和行「お天気歳時記」
木内進「政治家と地方公務員」
東村有三「ソビエトで日本人ばかりを見た<堀川淳子インタビュー>」
あの店・この店
ひとこと
月刊・地下街の店
札幌駅名店街案内
札幌ステーション・デパート案内
札幌地下街ポールタウン案内
札幌地下街オーロラタウン案内
――――――――――――
最後に、当時の本屋さんの様子を紹介しましょう。






新刊書店は当時「紀伊国屋書店」、「富貴堂」、「弘栄堂」、「維新堂」があったようです。
この頃すでに「リーブルなにわ」もあったはずですが、地下街のメンバーではなかったのでしょうか。
(このブログの記事が素晴らしかったので勝手にリンクを貼らせていただきます。→http://blog.goo.ne.jp/h-art_2005/e/e71fff6ad8819e29799fcec211defb87

このころ「第二の文庫本ブーム」(?)が沸き起こっていたそうで、10号の「ひとこと」欄にはこのような記述がありました。若干、隔世の感がありますね。

「若い人たちの間で、文庫本が人気を呼んでいるそうです。そういえば、この春に、出版物の配給会社に勤めている友人が「ことしの秋は文庫本ブームになる」と言っていたのを覚えています。このところ単行本も値上りムードですから、読書好きな若い人々には、単行本一冊よりも文庫本三冊の方が買いやすいというわけでしょう。豪華本を楽しむのも結構ですが、読みたい本が安く手に入る文庫本ブームは若い読書家にとって歓迎すべきことです」
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