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北海道電力発行「フロンティア」の目次
「フロンティア」を仕入れた。創刊号と9号から17号までの合計10冊。

これまで一冊二冊の小口の仕入れはあっても、
10冊とは言え、まとまって仕入れたことが無かったので、とても嬉しかった。

なぜならこの小冊子、じつは執筆陣が頗るすごい。
一流の文学者が寄稿しているのだ。このような小冊子が(電力会社の資本力があったとしても)北海道から刊行されていたことに驚かされる。
月刊の大手文芸誌と比べても見劣りしない執筆陣だと私は思う。
また、各号ページ数が60頁程度のため収録作品のほとんどが短編エッセイである。
そのため月刊文芸誌よりハンディで読みやすく、また各作家の短編の技術を存分に味わえて興趣が尽きない。

「フロンティア」の魅力はそれだけにとどまらない。
発行所が北海道電力だけあって、北海道ローカルの話題が随所に散りばめられているのである。
地方出版のPR誌の醍醐味である。
文学者らが書く内容も、北海道の旅、食べ物、風景についてが大多数だ。
有名作家による「北海道」を楽しめるのはもちろん、
時代の空気をたっぷり反映したの時事ネタコラムのコーナーや、発電所や開発についてのルポルタージュもたいへん充実しているのである。


 フロンティア北海道電力
(一番左が創刊号)

1964年から(弊店仕入れでは)1972年までの北海道、
そのあいだに開道100年があり、また札幌冬季オリンピックがあった激動の時代であるが、
その北海道の姿が、ひとたび「フロンティア」を開くと文学、ルポ、短信などから多角的に浮かび上がってくる。

札幌ではオリンピックを契機に交通インフラが整備されるなど、一気に都市化が進んだが、
それは同時に北海道電力の発電所が火力から原子力へと重心を移行していく時期でもあったことがありありとわかる。

☆☆☆

書肆吉成では小冊子「フロンティア」を「日本の古本屋」サイトに登録し、店頭でも販売するにあたり、その魅力を伝えるべく、販売促進も兼ねて、目次を書き出してみました。
御購入の参考にしていただければ幸いと存じます。

なお、今回未入荷の号も参考までに目次のみ掲載します。未入荷分の2〜8号の目次は「14号」収録「総目次」より引き写しました。
17号から24号は未入手のため残念ながら書き写すことができませんでした。
いつか仕入れて販売する機会がありましたら追補したいと思います。

また、時事ネタの短信コラムコーナー「トーク・アンド・トーク」では、私(吉成)が気になったコラムのみ取捨選択してピックアップしました。
また一部はより内容がわかるように若干の改変を加えたため実際の「もくじ」頁の表記と異なります。
また、校正をしていません。誤字脱字がありましたらおゆるし下さい。

お気に召しましたら、「日本の古本屋」にてお求めいただけます。
弊店の在庫としては書肆吉成在庫(当HP中央・中段の検索枠)にて有無を確認し、御注文をいただけましたら幸いです。

また、弊店「書肆吉成」では小冊子「フロンティア」の買取を随時行っております。
御自宅に眠っている小冊子、タウン誌など、お譲りいただけましたら幸いです。
是非一度ご相談下さい。(買取のお問い合わせは、011-214-0972 吉成まで)
↓ (下の「続きを読む」をクリック!)
●フロンティア (創刊号)

昭和39年10月1日発行
編集人 川瀬英雄
発行所 北海道電力株式会社総務部
62ページ
カット 一木万寿三/三浦鮮治/繁野三郎

<もくじ>
谷川俊太郎「光の源」
発電所のみえる牧場(江別火力発電所の写真頁)
森田たま「札幌の匂ひ」
渡辺紳一郎「北海道の社宅」
三鬼陽之助「第二のふるさととして」
高橋義孝「ユニークな淋しさ」
菊村到「小説の舞台としての北海道」
畔柳二美「発電所の思い出」
田辺三重松「神威岬燈台」
本郷新「一彫刻家の夢想」
風に吹き消さるることなし―北海道の電気の生いたち―
八木隆一郎「旅とわが町」
カラー(写真) はまなす/大雪山/然別湖
栗坂義郎 ルポ「静かな自然改造」
八洲秀章「マリモの歌」
木暮実千代「架空開発庁長官」
大宅壮一・岡松成太郎 対談「北海道の電力を語る」
岩村一木「岩村通俊蛇足書」
原田康子「札幌での作家生活」
伊藤整「わが文学のふるさと・小樽」
えとせとら
岡本太郎「透明な想い出」



●フロンティア 2号
神保光太郎「詩/原始自然の中を」
尾崎一雄「船に弱くて損をした」
八木義徳「摩周湖の美しさ」
船山馨「私の札幌祭り」
中村善策「昭和新山」
細川隆元「北海道と私」
犬飼哲夫「善知鳥をたべる人々」
曽野綾子「室蘭航路」
おおば比呂司「すすきの酔歩」
木暮実千代・岡松成太郎 対談「暮らしの中の電気」
ルポ「エネルギーの殿堂 新鋭江別発電所をみる」
永六輔「北海道のバラエティ」
相良守峯「”走り馬”の弁」
戸川幸夫「知床の俗化を憂う」

●フロンティア 3号
尾崎喜八「詩/期待」
串田孫一「雪の稚内」
鹿内信隆「世界最初の屋内球場」
戸塚文子「原生花園今昔」
津村節子「さい果ての海」
三浦綾子「事実は小説よりも奇なり」
森田沙伊「北海道への郷愁」
関清秀「北海道開発のフロンティア」
ルポ「明日を拓く 金山発電所の建設をみる」
井崎一夫「室蘭・苫小牧」
唐島基智三「わたしの”糞尿譚”」
子母沢寛「箱館戦争余聞」

●フロンティア 4号
菊岡久利「詩/青春」
佐多稲子「小樽の町のきれぎれの記憶」
池田潔「北海道を思う」
坂西志保「海のあるふるさと」
土岐雄三「蘇生の地・北海道」
新田次郎「吹雪の美幌」
石上玄一郎「札幌の追憶」
高橋掬太郎「酒は涙か溜息か」
宮永岳彦「垂直・水平の景」
富永一朗「愛する岩内よ」
山内壮夫「彫刻の園」
ルポ「菜の花畑の発電所 奈井江火力建設現場をみる」
永田富智「蝦夷切支丹の埋蔵金」
山岡荘八「徳川家康への私の執念」

●フロンティア 5号
草野心平「詩/弟子屈原野」
壺井栄「北海道の味」
村上元三「「雪騎士」そのほか」
村上兵衛「冬の北海道」
内田吐夢「北海道ロケの思い出」
時雨音羽「利尻島の冬とサガレン小唄」
三雲祥之助「札幌の冬景色」
千葉治平「エンジニヤ作家の道」
ルポ「山岳に挑む 室蘭西幹線建設工事をみる」
更科源蔵「兎の生胆」
工藤恒美「人形と青春と」
海音寺潮五郎「蝦夷天一坊について」

●フロンティア 6号
村野四郎「詩/はつなつ」
有馬頼義「北海道によせる夢」
藤森成吉「有島武郎追憶」
永田力「札幌用心」
藤井重夫「札幌恋い」
佐野洋「北海道の思い出」
ルポ「日本最北端の灯」
宮尾しげお「札幌時計台下」
平岩弓枝「テレビドラマ「旅路」のこぼれ話」
池田善長「北海道のもつポテンシャリティー」
今東光「函館の印象」
<石狩川の興亡史>

●フロンティア 7号
神保光太郎「詩/火は水を愛し」
谷川俊太郎「詩/百年…」
森田たま「アカシヤの樹かげ」
戸川幸夫「百年ひと昔」
田宮虎彦「額縁のない風景」
開高健「大きな黄昏」
三鬼陽之助「北海道に想うこと」
三岸節子「北海道への誘い」
永田富智「開陽丸の引き上げ」
おおば比呂司「おお百年よ」
南条範夫「箱館戦争余話」
村上元三「北方物とわたし」
高倉新一郎「開拓と電気」
石森延男「背の高い蕗のやぶ」
加茂儀一「北海道開発私見」
大宅壮一「栽培時代に入った北海道」
<北海道百年に思う>

●フロンティア 8号
西脇順三郎「詩/北海の旅」
草柳大蔵「北海道空輸公社設立建白書」
桂ゆき子「タンチョウ鶴」
千秋実「北海道の雪よ白くあれ」
森村桂「冬の北海道」
星新一「思い出と空想」
馬場のぼる「冬の札幌」
ルポ「津軽海峡をたぐる<青函トンネル>
福田蘭堂「まぼろしの大湿原」
石上玄一郎「元屯田将校の覚え書き」
伊藤善市「北海道開発の未来」
丹羽文雄「ゴルフ場その他」
<春待つ大雪山>


●フロンティア 9号

昭和44年10月30日発行
編集人 川瀬英雄
発行所 北海道電力株式会社総務部
62ページ
カット 一木万寿三
表紙写真 石井彰「根釧原野の秋」

(弊店が仕入れた当冊子には「ごあいさつ」と題する枡形の小さな紙が折り込まれていた。そこには差出名義「北海道電力株式会社」とあり以下の内容が書かれてある。「平素、当社事業に対しましては、ひとかたならぬご支援を賜りまして、厚く御礼申し上げます。/さて、同封の”フロンティア”は、当社が社業PR誌とは別に企画編集しているものでございます。/この小冊子のためにとくに書き下ろしていただきました執筆者の方々の珠玉の作品をとおしまして、北海道をご理解いただくことに少しでもお役に立つことを念願といたしております。ここに謹んで最新版の第九号を贈呈申し上げます。云々」)

<もくじ>
金子光晴「詩/北海道をたたうる唄」
藤原弘達「ヘソ曲り精神」
渡辺喜恵子「原生花園」
佐藤忠良「北海道の味」(画と文)
渡辺淳一「私の北海道」
瓜生卓造「緑のうすい山々」
真壁ゆきを「函館のことなど」(画と文)
吉田利雄カラー写真「天人峡で/みのりの秋/網走湖」
同上「カラーページのことば」
益田喜頓「郷愁」
早川泰正「鹿島と苫小牧」
山本堅太郎ルポ「勇払原野を切り開く 苫小牧臨界工業地帯」
とおく・あんど・とおく(短信集)「離島も同じ電灯の明りで」「ピンチヒッターとして復活した露天掘り」「注目集める地下商店街」「海獣トドのドルかせぎ」「アイヌ人骨盗掘事件碑建つ」他
海音寺潮五郎「根室の鶴」
<重蔵隧道>(写真とコラム。「寛政10年(1798年)徳川幕府の勘定近藤重蔵は、エトロフ探査の帰途十勝の広尾から日高の様似に抜けようとしていた。しかし折りしも寒風吹きすさび(…略…)現地人の苦労を身をもって知った重蔵は、この山越えの道をひらくことを思い立ち、従者下野源助とともに、十勝のルベシベツから日高境のビタタヌンケに至る約12キロの人道を開削した。北方警護の重要性を悟った幕府は、さらにこの工事を進め(…)東蝦夷(浦河以東のこと)一帯はようやく松前へ通ずることとなった。(…)昭和の初め当時の金で100万円という莫大な費用と7年の歳月を費やして、その名も「黄金道路」と呼ばれる立派な道路に姿を変えた。(…)黄金道路にそそり立つ絶壁を縫って、幾つかの隧道がつづく。一段と険しい岩山をくり抜いた隧道のひとつに(…)、「重蔵隧道」と刻まれている。」という、由来に関するコラムがある)


●フロンティア 10号

昭和45年2月20日発行
編集人 川瀬英雄
発行所 北海道電力株式会社総務部
66ページ
カット 一木万寿三
表紙写真 石井彰「初冬の樽前山」

<もくじ>
サトウハチロー「詩/雪を想うボクの歌」
早乙女貢「北海道への想い」
大隈秀夫「親孝行の旅」
楠本憲吉「北海道の俳友」
和田謹吾「幻想のフロンティア」
久保守「想い出の歌」(画と文)
杉浦幸雄「漫画家の産地」
吉田利雄カラー写真「豊平館/円山公園の原始林/札幌ハリスト教会」
同上「カラーのことば」
大和田健太郎ルポ「ニシン消えて原子の火 原子力発電所建設地点を見る」
トーク・アンド・トーク「監獄役場の引越計画」「豪快なシカ狩りをどうぞ」「札幌冬季五輪世界にPR」他
蝦名賢造「道東地域開発への一提言」
木野工「小説のモデル」
菊村到「北海道のかぼちゃ」
柴田錬三郎「空想力の世界として」
<或る開拓者>(依田勉三についての写真とコラム)


●フロンティア 11号

昭和45年8月1日発行
編集人 川瀬英雄
発行所 北海道電力株式会社総務部
66ページ
カット 一木万寿三
表紙写真 石井彰「納沙布岬」

(当冊子に9号と同内容の「ごあいさつ」折り込み有)。

<もくじ>
春山行夫「詩/函館」
小松左京「北海道の可能性」
多田実「希望地帯」
石井彰「表紙のことば」
宮柊二「苜蓿の花」
池田弥三郎「民族の大移動」
小寺健吉「私の北海道昔話」(絵と文)
澤田誠一「書きたい蝦夷乱のこと」
吉田利雄カラー写真「麦わら帽子/日高の若駒/郊外の朝―札幌」
同上「カラーのことば 札幌・月寒・日高」
時田健治郎ルポ「第二苫小牧をみる 本道飛躍の推進力 不毛の原野への挑戦」
トーク・アンド・トーク「川底になる石狩の商店街」「アイヌ犬牧場誕生」「昭和新山の地主サン、名誉町民になる」「古銭発掘の日本記録」「コンコンと一日三十五万トンの水」他
井崎一夫「帯広のキツネ」
原田康子「馬鈴薯の花」
草柳大蔵「北海道にとってのジョーカーはなにか?」
松下幸之助「北海道は独立国家」
<戊辰の役 戦死者の墓>(江差・松の岱神社と藩士の墓)


●フロンティア 12号

昭和45年11月20日発行
編集人 川瀬英雄
発行所 北海道電力株式会社総務部
66ページ
カット 一木万寿三
表紙写真 石井彰「詩情あふれる原野」(根釧原野)

<もくじ>
北川冬彦「詩/北海道への関心事」
梶山季之「外国へPRせよ」
小堀進「北海道の自然」
畑正憲「北の海」
俵萠子「パセリの味」
トーク・アンド・トーク「琴似屯田兵中隊本部の復元工事」「本当になった札幌未来図」「ムク鳥の大群来襲は公害のない証拠」他
夏堀正元「内なる北海道」
吉田利雄カラー写真「サイロ/めん羊群/港暮色」
佐藤六朗「ぼくの夢」(画と文)
石井彰「表紙のことば」
三浦綾子「氷点あれこれ」
吉田利雄「カラーのことば 訪れの早い秋」
大塚凡夫ルポ「日高の道づくり 新冠発電所建設現場を行く」
川内康範「郷土愛について」
藤島泰輔「山への郷愁」
今東光「函館の思い出」
<新しき大地>


●フロンティア 13号

昭和46年3月31日発行
発行所 北海道電力株式会社総務部
70ページ
カット 一木万寿三
表紙写真 石井彰「早春の大雪山」

(この号の奥付より「編集人 川瀬英雄」の字が消える)

<もくじ>
田中冬二「詩/ロマンチックな風景」
武山泰雄「島よ還れ」
生方たつゑ「北方の魅力」
小汀利得「北海道ところどころ」
杉野目晴貞「フロンティアについて想うこと」
更科源蔵「ペナンペとパナンペ」
澤野久雄「愛惜のストーブ」
石井彰「表紙のことば」
吉田利雄「カラーのことば おたる」
吉田利雄カラー写真「白の防波堤/船着き場/D51<デゴイチ>」
おおば比呂司「前えッ進め!/スキー遠足のことから」(画と文)
伏木田照澄ルポ「拓けゆく十勝 北海道開発の秘密兵器」
真鍋博「天然未来 北海道は頭脳気候地帯」(イラストレーションと文)
トーク・アンド・トーク「生きています砂金仙人」「「十勝ワイン」売れ行き上々」「海底牧場の夢」「最古の輸入レール?発見」「面目一新の札幌駅前」他
石上玄一郎「菅江真澄の「えぞのてぶり」」
菊村到「けものの匂い」
岡本太郎「北海道の未来を思う」
<大友堀>(「現在、両岸の一部は、明年2月開催の冬季オリンピックに備えて南北に貫く幹線道路に生まれ変わろうとしているが、……」)

(少しばかり雑感を。冬季オリンピックを翌年に控えたこの時期に「フロンティア」誌上に真鍋博と岡本太郎(創刊号に次いで二度目)が登場している。二人は昭和45年の大阪万博を成功させている。札幌も万博に続けとばかりの気勢を感じるが、真鍋博は本文で「四、五年前までの日本は未来学の全盛期だった(略)。現代の日本は未来学の反省期である。」と書いている)


●フロンティア 14号 北海道電力創立20周年記念号

昭和46年6月10日発行
発行所 北海道電力株式会社総務部
82ページ
カット 一木万寿三
表紙写真 石井彰「樽前山」

<もくじ>
藤浦洸「詩/湯の川にて」
村上元三「北海道とわたし」
田中洋之助「北海道への関心」
五味康祐「憧憬の地」
山本直純「ボクの好きなドサンコたちよ」
吉村昭「毛ガニの実力」
鈴木義治「憧れの北海道」(えと文)
三浦鮮治「浜益の回想」(え(カラー)と文)
源氏鶏太「流氷のこと」
吉田利雄カラー写真「アカシア―札幌/ミズバショウ―大雪山/積丹岬/サンゴソウ―網走/子供たち―小樽」
吉田利雄「カラーのことば 日本の異境」
三鬼陽之助・藤波收 対談「電気事業よもやまばなし」
石井彰「表紙のことば」
伊藤俊夫「北海道開発への提言」
トーク・アンド・トーク「エンギのいい動物園」「札幌に高層ホテルニョキニョキ」「明るくなる札幌の夜」「強敵「チャトカー」」他
フロンティア既刊総目次
大宅昌子「夕張メロン」
佐藤一郎「国土利用の再編成と北海道の開発」
武者小路実篤「北海道に四度行った」
<路傍の標柱>


●フロンティア 15号

昭和46年10月30日発行
発行所 北海道電力株式会社総務部
66ページ
カット 一木万寿三
表紙写真 石井彰「積丹半島」

<もくじ>
北園克衛「詩/摩周湖」
扇谷正造「頭寒足熱」
石井彰「表紙のことば」
田中澄江「旅で見つけた花たち」
坂西志保「アメリカそして北海道」
倉島齋「観光北海道の背中」
渡部以智四郎「酪農の未来図」
北山竜「ガイド失格」(えと文)
吉田利雄カラー写真「十勝川/夕映えの中で/飛沫のコンベア」
吉田利雄「カラーのことば アキアジ」
佐藤克二ルポ「動き出した石狩湾新港建設 百年の夢実現に期待をかける石狩町」
トーク・アンド・トーク「ワイン・ロード出現」「チンギン!マンガ電車でござーい」「札幌オリンピックでハムも活躍か」「ブーム続く石油鉱区の出願」「ウラン鉱ヤーイ」
家城啓一郎「北海道と私」
田中忠雄「ノルウェーよりの便り」(えと文)
青地晨「北海道の草原」
山岡荘八「人生ドラマ春の坂道」
<本願寺道路>(道都、札幌から定山渓、中山峠を通って洞爺湖に抜ける国道230号線は、……)


●フロンティア 16号

昭和47年3月15日発行
発行所 北海道電力株式会社総務部
66ページ
カット 中本昭平
表紙写真 石井彰「冬の十勝連峰」

<もくじ>
竹中郁「詩/一人旅」
山田風太郎「北海道二度の旅」
小栗浩「北方ということ」
石井彰「表紙のことば」
上坂冬子「ラーメンとじゃが芋」
浪越徳治郎「拒絶反応」
更科源蔵「何もない正月」
古田久三郎「想出の山 想出の川」(えと文)
吉田利雄「カラーのことば サッポロ」
吉田利雄カラー写真「知事公館/創成川下流/北海道庁旧本庁舎」
トーク・アンド・トーク「「北光社」リーダー坂本直寛の遺稿」「大雪山の地熱でポカポカ冬を」「中国ブームどう響く」「北方圏諸国との交流もとはりきる札響」他
村木登ルポ「新酪農村建設地帯を行く」(根室・別海など根釧平野について。いわゆるパイロットファーム)
久保田晃「北海道工業化に想う」
篠田正浩「北帰行」
早乙女貢「ロマンの大地」
本位田祥男「北海道の協同組合」
<野幌原野>



●フロンティア 17号

昭和47年8月10日発行
発行所 北海道電力株式会社総務部
66ページ
カット 中本昭平
表紙写真 河江利治「雲間の洞爺湖」

<もくじ>
丸山薫「詩/牛とカラス」
宇能鴻一郎「北海道の旅と味」
石上玄一郎「北海道との因縁」
逢坂信忢「フロンティア!」
川崎のぼる「名誉ばん回の旅」(えと文)
向坂正男「エネルギー消費の効率化」
斎藤武「地域暖房の誕生」
吉田利雄「カラーのことば 道東三湖」
吉田利雄カラー写真「阿寒湖/摩周湖/屈斜路湖」
須藤忠ルポ「利尻島 共同自家用電気施設引取りを見る」
トーク・アンド・トーク「石狩川で安政年間のサケ漁を再現」「北海道はワインの古里」クジラっ子のいたずら旅行」「美人王国・北海道」「自家用天然ガスの生活をしてます」「大盛況の環境展」他
高橋北修「大雪山とわたくし」(えと文)
高安国世「思い出の道東」
土岐雄三「遙かなる大地北海道」
三鬼陽之助「二十対五の活用」
河江利治「表紙のことば」
<石狩河口橋>


――――――――――――――――――――
おわりに

今度のオリンピックの開催地に札幌も!、と上田市長が手を上げたらしい。

フロンティア13号(昭和46年)で画家の岡本太郎はこのように書いている。

「今度、冬季オリンピックがひらかれるのをきっかけに、札幌、そして北海道が、世界の注目をあびる。こんな時点こそ新しい運命を切りひらいて行くチャンスだ。なにも雪の上の競技ばかりではない、この土地、ここの人間の生活のイメージを、内外の人々の心にやきつけるのだ。その点、地元の人の強力な文化的自覚を期待したい。」

いかにも岡本太郎らしい、力強い言葉だ。全力全開の強烈なパワーがみなぎっている。
岡本太郎がこのように発言する背景には、北海道の文化が東京のコピーであるという意識がある。
これは北海道文化人自身が持っていた自意識であり、また東京の文化人が北海道を訪れて文化人をつまらなく感じる実感でもあったようだ。
それに対して岡本太郎は、自分に向かって真正面から対峙せよ、おのれ自身を足元から立ち上げるのだ、と言うかのようだ。

「札幌も、東京の真似ではなく、また懐古趣味でない、東京の方がびっくりするような新鮮なイメージをうち出したらどうか。それは若い土地の魅力を印象づけ、またそこに住む人をいきいきさせるだろう。」

まさに、そうだとうなづきたくなる。他所からいかにも文化的な作品をトップダウンで持ち込んで賞賛したり、その真似をしたり。また昔を懐古して遺物をそのまま愛でたりするのでない、自分たちの新しいイメージを!と岡本は檄を飛ばす。

「とかく地方文化は地方ナショナリズムに落ち込みやすい。そんな狭い殻をのりこえて、世界のトップを誇るような文化を生み出せばよいのだ。」

含蓄のある言葉だ。つまり「この土地、ここの人間の生活のイメージ」を人びとの心にやきつけるイメージであり、なおかつ「地方ナショナリズム」に陥らないような、いわば「開かれた地方」とでもいうよなヴァナキュラーな文化発信が求められているようだ。(私見ではこのときの栗谷川健一のポスターイメージはその求めに十分応えている。)
この文章は以下のように締めくくられている。

「今度のオリンピックはまことによいチャンスだ。地方人根性で自分をケチくさく限定しないで、全世界と協力し、それを引っ張っていくというプライドとひろがりをもって北海道を考えてほしい。そういう心の張り、ふくらみによって、この荒削りの天地は一だんと魅力のある世界になるだろう。」


さて、この小冊子「フロンティア」は、そんな岡本太郎の挑発へのすでに一つのアンサーであったように思われる。
文人たちは中央の人もいれば北海道ローカルの人もいる。地域のルポもある。歴史的なコラムもある。毎号眼を洗うようなすぐれた写真が掲載されている。
すばらしい編集だと思う。このような編集によって地域企業のPR誌が編まれていたことは幸福であったと思う。

街を見渡せば、タウン誌があり、雑誌があり、同人誌があり、フリーペーパーやミニコミ誌があり、それら小冊子たちが民衆の文化を底支えしていた。

では、いまの札幌はどうだろう。荒涼としてはいないか。
立派なものでなくていい、もっといろんな紙つぶてが飛び交って、地方地方の文化がその魅力を輝かせて競演してくれたなら、どんなに楽しいだろう。

「フロンティア」だけではない。今後しばらく一緒に仕入れた「地下街」「まんてん」「月刊さっぽろ」「紅」(岩田醸造)「窓」(サボイア)「日曜日」「サッポロ」「さとぽろ」などの小冊子・タウン誌・PR誌を手入れしていくつもりだが、それらを前にすると、街の豊かさがふくらみを持ってこちらに迫ってくる。楽しい気持ちがわいてくる。とても魅力的な冊子たちだ。

紙文化、モノ文化のメッセージは、二通りの仕方で私たちに語りかける。
一つは、そこに意図して書かれた(込められた)意味内容である。たとえば文章ならば、文字を読んでその意味を了解できる、その文章の内容だ。
そしてもう一つは、その物質が発する、言外のメッセージである。それは時代特有のデザインセンスや、紙やモノの質感、それそのもの自体が魅力をもって、メッセージを発しているのだ。

モノは人の手から手へ、思いもよらぬ経路を通り、場所のみならず時間をも飛び越えて、私たちにもたらされる。

インターネットの情報文字文化には、この「言外のメッセージ」の回路、物質的魅力が欠けているのではないだろうか。
もしそうならば、果たしてそこに真に豊かな文化は醸成されるだろうか。

書肆吉成発行の「アフンルパル通信」も、かつてのタウン誌やPR誌に負けないよう、どんなに遅々とした歩みであっても、がんばって出し続けようと、気持ちを新たにさせられた。
どうじに紙文化の魅力をも発信しているならば、それもまた、望外の喜びであるのだが。 
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