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札幌で一番低い場所、大学村の森公園へショート・ディープ・トリップ


札幌市の東区。
書肆吉成のすぐ近くには「大学村の森公園」がある。
住所は、札幌市東区北28条西4丁目。

この公園には、とある由緒があるのだが、それはおいおい。

さて、夕方になり、日が暮れかかったころ、ぼくはカメラをもって小さな旅にでた。




虫取り網を悠々と振りかざして、少年が公園を駆けてった。
きっと彼は永遠の少年だ。
昔の人もああやって、捕虫網を空にかざしてこの場所を駆けてったと思うから。
そして未来の少年もまた。



虫を探して少年は、夕陽のなかに溶けていった。
黄金に輝く捕虫網が、いつまでも空間を泳いでいた。




公園に入ると薄暗くなった。
カメラの露出ですぐわかる。
温度も少し下がったみたい。
空気が少し清冽だ。草の湿度を感じる。

ここは公園だけど、まるで森の中に入ったみたいだった。




空の上のほうは、夕焼けの世界。
森の葉っぱを突きぬけて立つ木の上に、一日の終りを燃やす荘厳な太陽の光が降り注いでいた。




枯れ朽ちた木もある。
根元にぽっかりとした空洞をあけて、木は裸形のまま聳えている。
夕暮れの森は深い緑だ。

この森は、人の手が入ったところと、昔からそのままに生育した木とが混在している。




遊具は子どもたちが来るのをただじっと待っている。




踏みしだかれてできた、小さな道。
こんな道ならいつまでも歩いていたい。




草は自由に波打っている。




まわりは住宅街だ。
公園の緑が縁取る、住民の生活。
住宅街の中の公園なのに、この森の鬱蒼とした感じは、いったいなんだろう。


さてここで、この公園の由来を教える説明板があるので目を向けてみよう。
この公園の風景の独特な雰囲気を解き明かす謎の答えが、そこに書かれているから。





「大学村の森は伏篭川自然堤防・紅葉山丘陵・南部と西部の扇状地に囲まれた札幌で最も低い土地にあります。」

札幌で最も低い土地!

それが私が日々営業している書肆吉成の店の周辺地域だなんて!


そうか、ここで札幌は、すこし凹んでいる……。



さらに読むとこのあたりは、明治時代には釧路湿原にも似たヨシ原の低層湿原であったという。
明治以降の土地改良の影響をほとんど受けずに、つまりは明治期以前をそのまま引継いで今日に至り、ハンノキ・ハルニレなど低層湿原時代の樹木が残り、また、林床にはニリンソウ・エゾエンゴサク・キバナノアマナなどの湿原周辺植物が命をつないでいる!


この土の湿潤は、もはやひとつの奇跡だ。


一般的に言って、泥炭層の土地は、開拓や開発にとっては決して好条件とは言えない。
地盤がゆるいため、高い建物を作れないのだ。

しかしどうだろう、この公園の姿は。
こんな身近なところに、札幌で一番低い場所があり、
そこで人は開拓以前の原始の風景に佇むことができるのだ。

虫取り網を振りかざして、夕陽にむかって走っていけるのだ。

なんという光だ。


(……もしかしてあいつ、太陽が夕陽になって落ちてくるところを、虫取り網で捕ようと思っているんじゃ?)


大学村の森のこれまでの経緯についても立て看板があった。下の写真の説明を参考にされたい。



戦前は札幌農学校(現在の北海道大学)の農園として開墾され、その後宅地化される。
戦後まもなくの頃、この近辺には北海道大学の教職員住宅が約70戸あったそうだ。






札幌で一番低い場所に立ち、まっすぐ上を見上げた。

空のキャンパスに、葉が散っている。
四本の、途中で伐られた白樺の木が、残暑の夏の大きな空を空けていた。



そんな夕暮れのショート・ディープ・トリップでした。



↓おまけ。近所のガソリンスタンド。いつもお世話になっている。今日現在レギュラー143円。




札幌の古本屋 本の買取専門店 古書の書肆吉成
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