歸去來兮(かへりなん いざ)

高橋あいサンから『歸去來兮』展の図録を購入しました。


これは愛媛県の久万美術館で秋に開催されていた写真展の図録です。
林浩平さんが企画をし、三人の写真家さんがそれぞの久万町を写した展覧会。
写真家は萱原里砂さん、笹岡啓子さん、高橋あいさん。
三人ともまだ若手の女性写真家さん。
一つの町を撮るのに、写真がこれほど三者三様であるのは、
写真家の個性によるものか、あるいは多様を許す町の懐の深さか。

愛媛の出版文化史に残るようなものを作ろう」の気概で作られた羽良多平吉・書容設計のこの本には、
林浩平さん、倉石信乃さん、楠本亜紀さん、神内有理(久万美術館学芸員)が解説を寄せ、作家三人の久万撮影録のテクストを収載し、
それぞれの写真図版ページを独立の本として製本し、キレイな色のタウト函にかがりつける、稀有な造本となっています。

 

 
ね、造本すごいですよね。
笹岡さんと高橋さんには直接お会いしたことがあります。


笹岡さんは今月末に写真集『PARK CITY』(インスクリプト)を出版するようです。
故郷の広島をテーマにしています。
同名の写真集がフォトグラファーズギャラリーから二種類刊行されていて、それは書肆吉成でも販売しておりますので、ぜひご覧いただけたら幸いです。


高橋さんは神出鬼没です。でもってスゴイ人。尊敬してます。北海道から沖縄まで、飛び込んでいって、映画を学んで、人に接して、移動して移住して。
そうしながら、彼女にとっての「大事なこと」をやり続けているアンガージュマンの人です。これからの活動もがんばって欲しいです。お体お大事に。
コメント

高橋さん

こんにちは。コメントありがとうございます!

こちらこそステキな写真集を教えて下さって、ありがとうございました。
夕焼けをイメージとのこと、色が光の角度によって変化する変わった紙を使用ですね。
久万の夕方、どんなでしょうか。その場の空気を味わってみたいです。

久万町そのものにも関心が向かいました。自然と生活が一緒にあるステキな町のようですね。ぜひ一度じっくり行ってみたいです。

私は人口5500人程度の小さな町(斜里郡清里町)で生まれ育ちましたので、いわゆる田舎にシンパシーを感じます。きっと写真を撮られている町の人たちは他所者が勝手に写真とってなんか言っているだけで自分らには関係ない、と思っている人が少なくないのでは、と思います。都会と田舎はいつまでたっても平行線だと思います。私見では、それが田舎のたくましさの素なのだと思ってます。
……と、こんなことをお風呂でぼーっと写真を回想しながら考えてました。都会は流されやすいけど、田舎の変化は非常に緩やか。高橋さんの田舎に接していく写真のスタンスにはとても好感を覚えました。また作品としても緩やかな変化の一瞬をとらえていると思いました。その変化は夕焼け空みたいな緩やかな変化、きれいな一瞬の作品です。

  • よしなり
  • 2009/12/17 17:30

吉成さん

engagementですか。初めて言われました。ただの風来坊ですよ(笑)

どうもありがとうございます。
デザイナー・羽良多平吉さんは、夕焼けをイメージしデザインしてくださったとのこと。カタログとしても写真集としても2000円ではお得感のあるものです。ぺいぺいの私にとっては、身近な大先輩との展覧会、とても勉強になるものでした。未熟ばかりですが、この1年半は全力で頑張ったつもりです。

久万美術館から取り寄せもできますので、ご関心持って下さった方、是非是非よろしくお願いします。

問い合わせ先
http://www.town.kumakogen.ehime.jp/culture/muse/kikakuten/09kikyorai/09katarogu.html



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